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山梨学院大学 様

第2回「学生の学びを止めないための体制整備」オンラインセミナー

学生の学びを止めるな! 遠隔授業実施の為の体制整備インタビュー

山梨学院大学

丸山 正次先生

 

2020年10月2日(金)に実施した第2回「学生の学びを止めないための体制整備」オンラインセミナーにおいて、このコロナ禍においても学生の学びを止めないために実施した工夫や体制整備についてお話いただきました。
後半には京都大学の飯吉透先生によるインタビューも実施しております。
最下部に動画とPDFデータのダウンロードリンクもございますので
あわせてご覧ください。

 

セミナーの概要についてはこちら

遠隔授業実施の為の体制整備について

3月時点で manaba + zoom の授業を決定

山梨学院大学では5学部約4,000名の学生が学んでいます。このうち約1,200名がアスリート生、留学生が430名という構成になっています。また、教員は専任が151名、非常勤が101名おります。

コロナウイルス感染拡大を受けて、2020年3月に前期授業の原則オンライン化と、 manaba での対応可能性を確認しました。大学設置基準のいわゆる「メディア授業告示」に基づき検証し、manaba を出席管理・課題提供・課題提出管理・学生相互の意見交換のポータルとして使えば、通知の条件を満たすことができると判断しました。また、同時双方向授業には標準でzoomを使うこととし、オンデマンド授業では、教員の裁量でOneDriveやYouTubeも併用することを決めました。

全面的なオンライン授業にあたり、学習・教育開発(LED)センターが manaba のFDを行い、zoomに関しては情報基盤センターがFDを行うという役割分担を決めました。

シラバスの改定、 manaba ・ zoomのFD実施

4月に入り、オンライン授業実施に向けての具体的な作業を始めました。まず実施したのが全教員を対象としたオンライン授業計画の調査です。 manaba 、zoomが使えるのか、授業は同時双方向(リアルタイム)、オンデマンドのどちらで行うのか、ツールは何を使うのか、などです。

一部、オンライン授業ができない授業もありましたので、それらに関しては許可制で対面授業を実施することとしました。
また、学生のPCやネットワーク環境についても調査を行いました。

これらの結果を集約し、各先生方には実施形態に合わせてシラバスの修正をお願いしました。これは、学生が科目選択するにあたって、授業形態(双方向、オンデマンドなど)を考慮したうえで選択できるように配慮したものです。

さらに、不慣れな教員に対する manaba 、zoomのFDを実施しました。 manaba に関しては4月中に全10回を実施し、延べ80名の教員が参加しました。教員のレベルに合わせて、基本機能から教えたり、PowerPointのスライドショーのビデオ化、アップするファイルの軽量化などを教えていきました。zoomのFDは、4月前後に13回実施し、こちらは延べ58名が参加しました。実際に教員同士で使いあう研修を行ったところ、のちに教員たちが自分たちで使い方の動画を作成し、教え合うという動きが出てきて、これは大変評価しています。

学生への対応・情報の集約

学生に対しては、一括した情報提供ができるように manaba に「学生向け情報共有ポータル」コースを新設し、掲示板からの質問を受け付けるようにしました。掲示板の活用により、同種の質問が減り、教職員の負担を減らすことができました。

新入生に対しては学生証を郵送する際に、 manaba への登録方法を記載した資料を一緒に送ることで manaba に誘導。電子化を進めていたオリエンテーション資料を manaba にもアップすることで利便性を高めました。
また、事前調査に基づき、自宅でオンライン授業を受ける環境が整わない学生に対して、PC機器等の貸出や、大学のPCルームなどの開放を実施しています。

教員側の情報も「教員向け情報公開ポータル」に集約することで、専任・非常勤に関わらず、ポータルを見ればわかるという形にしました。

コース一覧

前期を終えての振り返り

前期授業終了後、教員・学生双方に調査を実施しました。
manaba を使う学部(1学部だけ別のLMS)の専任・非常勤の教員210名には、利用メディアを軸とした調査をしました。

実際に授業で manaba を使ったと回答したのが88%、zoomを使ったと回答したのが74%、YouTubeなどの外部の動画サイトを使ったのが16%、LINEやSlackを使った教員も3割ほどいました。
また、通常授業再開後のオンライン授業の実施や manaba 活用について聞いてみたところ、約6割の教員がオンライン授業を行う可能性があると回答し、 manaba に関しては8割の教員が利用して行こうと考えていることがわかりました。

学生には、「学習アンケート」という形で調査しました。
「課題の指示の明確さ」という問いに対しては約7割の学生が明確であったと答えていますが、アスリート生に絞ってみるとその数字は下回っていました。同様に「課題の提出率」もアスリート生や留学生は低い数字が出ています。これに対し「教員からの応答」や「大学からのサポート」「自習/オンデマンドのサポート」に関しては、一般学生より留学生の評価が高くなっていました。

後期授業、ポストコロナに向けて

これらの調査を受けて、後期、その先のポストコロナ時代の授業のあり方についても検討を始めています。
とある先生が、アンケートの自由記入欄にこんなことを書いてくれました。

●通常授業に比べ昨年比1.5倍の履修登録者があった。教室の収容定員を上回る人数であった。これが対面授業であれば授業に支障が出たと思われる。
●最終講義回終了後にアンケートを実施したところ、「自分のペースで学習できる」「繰り返し学習ができる」「自己管理能力が向上する」などの回答があった。特に成績評価の高い学生ほど満足が高かった半面、成績評価の低い学生は満足度が低く、また単位が取得できない学生も昨年と比べ増えている(2019年:10.1%→2020年:14.3%)。このことから、自己管理型のオンライン授業に適応できない層が一定数いることがわかる。

このようなことから、今後授業計画やカリキュラム計画で、オンライン授業に適応できない層に対して、どう対策をしていくのか、という点が課題である、という認識を持ちました。

京都大学 飯吉透先生によるインタビュー

飯吉:オンライン授業を始めるにあたり、実に丁寧に準備をされたと感じました。その中でシラバスを書き換えたというお話でしたが、新しいシラバスは学生に提示したのでしょうか。

丸山:提示しました。学生が履修選択する際の目安になるように、授業環境(オンラインのやり方など)や課題内容をすべて書くようにして公開しました。

飯吉:アンケートで留学生がサポートに関して高い満足度を持っていたようですが、この理由として何が考えられますか。

丸山:チャットや掲示板で質問するようになって、質問に対する言葉の壁が低くなったためだと考えています。対面で授業の時に質問する場合は会話で、となりますが、ネット経由であれば焦らず書けますし、翻訳ツールなども使えるので、対面より深い質問ができたからでは、と見ています。

飯吉:オンライン授業に対する満足度と成績の因果関係についてのお話がありましたが、丸山先生はどう考えられますか。

丸山:個人的な意見になりますが、学習意欲が高い人向けに、さらにレベルが高い授業をオンデマンドで実施することはいいことではないかと感じました。

飯吉:参加者からの質問を取り上げてみます。対面授業だとその場で間違いを指摘し、修正できますが、オンライン授業ではどのようにされていますか。

丸山:先生によってやり方も違うと思いますので個人的な話になりますが、オンデマンド授業用に録画した講義で、間違えではないけれど、微妙に違うとか、しゃべり間違えたことに後で気づいたときは、 manaba の掲示板やコンテンツなどで訂正やフォローを行いました。ツールをうまく使えば、できると思います。

飯吉:大人数の授業における評価やフォローについてアイディアはありますか。

丸山: manaba の小テストの活用は効果的だと思います。問題をランダムに出題するドリル機能を使って、学習意欲を盛り立てたり、小テストの自動採点機能は、採点の手間を省くことができると思います。

飯吉:オンライン授業における成績評価はどうされましたか。

丸山:テストは実施できないので、先生方には日々の授業で評価ができるような教育を行うよう伝えました。また、記述式の課題に関しては「欠かすことのできない」キーワードがきちんと使われているかをチェックして評価をする先生もいました。

飯吉:今後、オンラインと対面を併用していくにあたり、教員個々のやり方でなく、共通のカリキュラムにしていくことが大切かと思います、今後どうしていこうとお考えですか。

丸山:今、カリキュラム全体を見直しています。例えばICT教育の更なる充実が必要だと思います。今回の結果をどう生かしていくかは今後の検討課題と考えています。

お話いただいた方々

丸山 正次 先生

山梨学院大学
法学部政治行政学科教授
大学副学長(教育・研究担当)

東京都国立市生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学。
専門は環境政治理論。
大学では、教育改革の推進機関となる学習・教育開発(LED)センターの初代センター長を務め、manaba の導入も果たした。

インタビュアー:飯吉 透先生

高等教育研究開発推進センター長・教授
京都大学大学院教育学研究科教授(兼任)

動画閲覧・PDFダウンロード

PDFデータは下記よりダウンロードいただけます。

※講演日:2020年10月2日(金)

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