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阿南工業高等専門学校・小山工業高等専門学校 様

高等専門学校向け 「私の遠隔授業」オンラインセミナー

阿南工業高等専門学校・小山工業高等専門学校

松本 高志 先生・石原 学 先生

 

2020年10月13日(火)に実施した高等専門学校向け 「私の遠隔授業」オンラインセミナーにて遠隔授業での実践事例をお話いただきました。
後半にはインタビューも実施しております。
最下部に動画とPDFデータのダウンロードリンクもございますので
あわせてご覧ください。

 

セミナーの概要についてはこちら

阿南工業高等専門学校の「私の遠隔授業」

オンデマンドで実施した阿南高専の遠隔授業

阿南高専では2014年から manaba を使っています。2020年春の新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を受けて、前期授業を遠隔授業で実施するための準備を始めました。それを受け、学生の通信環境を調査したところ、通信環境が整っていない学生や、PCを所有していない学生もいたので、モバイルWi-FiルーターやPCの貸出を行いました。また、授業は通信環境も勘案してオンデマンド授業で実施することとし、 manaba を全面的に使うことを決定しました。

遠隔授業は4月20日から試行を開始して、5月7日から本格運用に入りました。またそれに先立ち、登校再開後の健康管理を徹底するため、4月6日から manaba のアンケート機能を使って、体温や健康状態、行動履歴を毎日学生に入力させるようにして、習慣づけを図りました。

対面授業は6月1日から1・2年生の分散登校を再開しました。登校にあたっては、通勤や高校生の通学時間をさけての短時間登校を各学年2日ずつ行う形から始めました。その翌週からは「実験実習Week」と称して、前期の実験・実習や対面でないと難しい科目について、クラス別分散登校の形を取り、2週間ずつ繰り返しました。

全員が登校できるようになったのは8月24日で、9月4日まで対面授業を行い、その翌週に前期期末試験を行って前期を終了しました。

後期は9月28日より開始しています。原則対面授業ですが、事情により登校できない学生向けに遠隔授業も実施しています。また、授業再開に伴い、寮の二人部屋ではパーティションを設置して、感染防止対策を行っています。

松本先生の「私の遠隔授業」

では、実際に私が行った遠隔授業についてお話していきます。

私が担当しているのは、4年生の無線工学、電気磁気学、5年生の電波法規の講義、実験ではPLC実験、演習は4年生の電気電子工学総合演習、そして卒業研究・特別研究です。

講義のオンデマンド授業では、画像と音声、学生とのやり取りができる環境が必要ですが、 manaba にYouTubeなどを組み合わせることでこれらの環境を簡単に用意できました。本校の多くの先生も同じやり方で授業を行っていたと思います。

無線工学の授業では、動画を作成してYouTubeにアップロードし、限定公開にて配信しました。学生とのやり取りは、 manaba のアンケート機能によるミニッツペーパーを授業ごとに設定し、学生の質問を受けながらケアをしていきました。また、自学自習課題の提出はレポート機能を活用しています。提出はPDFに統一したので、管理がとても楽になりました。

国家試験の資格が取れる電波法規の講義では、演習問題を約500題用意し、小テスト機能を使い、動画を見て問題を解く形としました。PowerPointに講義の音声を入れ、タブレットで書いた数式を入れ込むと、標準的な講義で10分ぐらいの動画のファイルサイズが100MBぐらいになりました。そこで、配信ファイルサイズを小さくするため、圧縮などをして対応し、途中から音声合成を使うようにしたところ、動画のサイズが1/10ぐらいになりました。

PLC実験はプログラミングを行いながら機器制御を行う実験です。通常は、説明から、学生によるプログラミング、動作確認までで3時間ほどで行う授業ですが、オンライン授業では、事前に原理や実験概要、操作説明の動画を作成して、それを学生に見てもらい、実験前に準備課題を提出させました。実際の実験は実験Weekで実施しましたが、事前の準備により、対面の実験時間を短くすることができました。電気コースの実験科目は同様にして実施しました。

4年生の電気電子工学総合演習はプレ卒業研究的な意味合いがあります。各研究室から課題が出されたり、卒業研究の配属希望調査を行いましたが、いずれもオンラインでやりやすかったと感じています。

卒業研究・特別研究では、学生との双方向コミュニケーションが重要ですが、Teamsによるオンラインミーティングや、メール、LINE、Slackなどのさまざまな連絡手段を使って進めていきました。

小山工業高等専門学校の「私の遠隔授業」

リアルタイムで行った小山高専の遠隔授業

小山高専では、2020年春の新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言を受け、4月を休校とし、5月11日から遠隔授業のトライアルを開始しました。当校ではまだ全校的なLMSがなく、授業は時間割通りのリアルタイム双方向授業で実施しました。

6月1日からは実験と座学を学年ごとに行う分散登校を開始し、座学の割合を減らして19日まで行いました。その後6月22日から全面的に対面授業を開始しました。それぞれ授業の形態が変わりましたので、それに合わせて時間割も対応できるように工夫しました。

オンライン授業ではMicrosoft Teamsの利用を推奨しました。ただし、他の仕組みを使うことは排除しませんでした。結果的にはほとんどの授業がTeamsで行われたようです。

 オンライン授業の開始にあたり、学生に機器、回線、スキルなど、ネットワーク環境の調査を実施しました。地域によっては難しいところもありましたが対応していきました。また、事前の準備として、教員に対しては4月の休業中にTeamsを使った授業の説明会を実施し、学生に対しても開始前2日間を問い合わせ期間としました。

出席確認はアンケート機能を使って実施し、質問などは、同時双方向の授業中にチャットや音声を使い質問をうけて回答するようにしていました。また、授業中の問題・課題を出題して回答を求めたり、レポートを提出させることで、学習に対する意欲を維持させる工夫をしました。

また、動画の配信にあたっては容量を軽減するための工夫を行い、ネットワーク環境があまりよくない学生にも配慮しました。

さすがに「デジタルネイティブ世代」と言われるだけあって、学生の慣れは速かったです。ただ、視聴による疲れは心配していました。
リアルタイム授業ですが、授業内容は録画もしており、公開した録画を何度も見た学生もいました。

近日中にLMSとして manaba を導入

現在、当校では全学で使えるLMSとして manaba の導入を進めています。前期はLMSがなかったこともあり、全面的なリアルタイム授業としましたが、今後は manaba を活用し、オンデマンド授業も取り入れていく予定です。前期の授業でも録画を見て学びを深める学生がいたことが把握できているので、 manaba によって予習・復習しやすい環境を整えれば、さらに充実した学習効果が得られると期待しています。また、少人数で行われる補習への活用もできると考えています。

また、さまざまな種類のメディア活用も manaba を活用することで、使い勝手よく使えることを期待しています。

インタビュー

̶ 遠隔授業で得た知見を対面授業にどのように活かしたいとお考えでしょうか

松本:まず、前期はオンデマンド授業用に教材をたくさん作りましたので、来年はこれを反転授業を含めてかなり活用できると思っています。後期は完全対面授業となっていますが、オンデマンド授業用も並行して教材を作ろうとしています。また、通常であれば前期のコースは前期終了後にクローズするのですが、今年度は復習を希望する学生がいることを考慮して、通年開いておくことにしました。
石原:対面授業と異なり、オンライン同時双方向授業では全体の学生の様子をその場で把握することが難しかったことを踏まえ、ポイントごとに小さな問いを対面授業より頻繁に出すことで集中度を高めることが大切だということがよくわかりました。それを対面に応用していけば、効果的な授業ができるのではないかと思いました。
また、LMSを使えばアクティブラーニングに大切な予習・復習も把握できるので、うまく活用していけば効果的な授業ができると感じました。

̶ 小山高専では、そろそろ manaba を使い始められるようになるかと思いますが、前期の授業の録画など、どのように活かしていきたいとお考えですか

石原:前期の授業はほとんどの先生が録画してくれていたので、これを再編集してアーカイブとして見られるようにすることで、いい教材になるのではないかと考えています。すでに、前期授業の録画再生回数は増えていっており、学生が復習目的で見ていることがわかっていますので、きちんと整理して公開すれば学生に役立つだろうと考えており、その管理に manaba を活用できると考えています。

̶ 遠隔授業で学生の集中力や意識を高めるためにどのような工夫をされましたか

松本:同時双方向授業と違って、オンデマンド授業ではなかなか難しいと感じています。教材動画の中で、先生自身をワイプとして入れている先生方もいらっしゃいますし、動画の中に自身が出て説明している、という先生もいらっしゃり、皆さん、色々と工夫していました。
学生のほうは、通学できなくて、家で一人で過ごすという者も少なくないので、コミュニケーションという意味では無理強いをしないように配慮しました。レポートなどの締め切りも緩やかに、広い心で対応していました。
石原:リアルタイムのほうが、双方向のコミュニケーションもしやすいと思いますが、授業でやっていると、全員の顔は見えませんので、難しいところがあります。例えば授業中にチャットで学生から質問を受けたり、こちらから質問したりと、授業にライブ感を持たせるのがいいかなと思っています。
また、LMSを使えばアクティブラーニングに大切な予習・復習も把握できるので、うまく活用していけば効果的な授業ができると感じました。
授業時間との兼ね合いもあり時間が限られる中でそのようなことをするのは、かなり工夫が必要です。こういうところでLMSなどを活用できればよいかなと思っています。

̶ 前期の成績評価に関してはどのようにされましたか

松本:評価に関しては先生の裁量に任されているので、私の場合をお話すると、試験7割、レポートなどの提出物等が3割で評価しています。一応、例年と同じような試験を行いました。結果に関しては、オンデマンドでよく学んでいる学生はいい結果を出しています。一方で、中間層が減り、二極分化した感じがしています。
石原:二極化するというのは雰囲気的にわかります。中間テストに関しては、推奨週間という形で期間を設定し、実施に関しては先生方にお任せしました。その一方で、「都度評価」つまり授業ごとに小テストやレポートなど、少しずつ評価できるものを蓄積しましょうということを先生方にお願いしました。その形で何とか出来たので、少しホッとしています。

̶ 阿南高専でのLMSの運用に関してお聞かせいただけますか

松本:manabaを導入して5年半になりますが、まずmanabaを選んだ理由としてはインターフェースが簡単である点です。機能は必要なものがそろっていますので、これがいいだろうという判断です。
導入後は短期間で普及しました。2年目で先生方の半分以上、一昨年には8割ぐらいの先生が使っていました。
一部には別のLMSを使っている先生もおりますが、全学共通のLMSは manaba となっています。昨年(2019年)の4~9月と今年(2020年)の同じ時期を比べると。ログインに関しては先生方も学生も3倍になっていました。また、事務職員も学生に対する周知などで使っていました

̶ 小山高専ではこれからLMSをどのように活用しようとお考えですか

石原:復習や再履修科目など、科目をもう一度聞く必要がある場合や、再度学修したいという学生向けに使えると考えています。特に再履修などは、最初に聞いた時には理解できなかったところを何度も聞いてできるようになるわけです。現在は場合によっては先生と学生が少数や1対1で補講をするようなこともあり、こういうところでうまく使えば、学生の学びのプラスになるのではないかと考えています。

̶ 阿南高専での別システムとmanabaのすみ分けについてお聞かせください

松本: manaba はよく使っています。moodleや他のシステムとも共存していますし、教職員間ではサイボウズを使っていますが、やはり使いやすいシステムが残っていくんだろうと思います。

̶ 小山高専では既存のシステム使い分けなど、どのように意識していこうとお考えですか

石原:松本先生がおっしゃるように、使いかたがあまり難しくないというのが定着の基なのかなと。機能がたくさんあっても難しいと使う側も気が引けてしまいますのでなるべく簡単に使えるのがいいのだろうなと、ちょっと( manaba に)期待をしております。

̶ LMSの費用についてはいかがでしょうか

松本:導入当時は補助金を使うことができたので、それを使っていました。補助金終了後は受益者負担ということで、教員分は学校から、学生側には教材費として負担してもらっています。
石原:どうするかはこれから話し合う予定です。

̶ LMSの費用についてはいかがでしょうか

松本:導入当時は補助金を使うことができたので、それを使っていました。補助金終了後は受益者負担ということで、教員分は学校から、学生側には教材費として負担してもらっています。
石原:どうするかはこれから話し合う予定です。

̶ それでは参加者からの質問にお答えいただきます。遠隔授業に関して学生からの反応はいかがでしたか

石原:隔授業は初めてでしたが、学生のほうは「今時の学生」でした。あまりハードルが高くなかったようので、逆に私たちがびっくりしたぐらいです。
松本先生:今回に限らずmanabaの使用を始めた当初から、学生は説明をせずとも一気に使えるようになりました。一方、学生が使っているので、使っていない先生が、学生側から「 manaba を使わないんですか」と聞かれるようになり、先生方もハードルを乗り越えて、使っていただけるようになりました。

̶ 成績の二極化が観測されているようですが、対面授業と成績が反転する学生などはいましたか

松本:教材や演習問題に取り組んだ回数が把握できますが、やはり何度も取り組んだ学生さんは普段よりもいい点を取っています。これは印象値ではなくデータとして残されています。遠隔授業のほうが向いている学生さんはいました。
石原:松本先生がおっしゃるように、特に録画やオンデマンド授業では、何度も動画を見ようと思ったら見ることができるので、学習の定着もよいのだろうと推測されます。それが極端に出て、逆に中途半端はないのだろうなと思います。
本学でも前期の授業でデータを取ったものがあり、普通の対面式の授業と遠隔の授業で、さほど大きな差はなかったので、遠隔授業でも定着は問題ないのではないか、というのが結論でした。

̶ LMS導入のきっかけについてお聞かせください

石原:本学ではこれまで全学のLMSはなく、一部の(ITが得意な)先生が独自にLMSを使っていたという範囲でした。manabaを選定した理由は、使い勝手・使いやすさを中心にいろいろ調べていった結果、manabaが最適であるという結果にたどり着いた、ということでした。

お話いただいた方々

松本 高志 先生

阿南工業高等専門学校 校長補佐
創造技術工学科 電気コース教授

専門は、環境電磁工学。博士(工学)。民間企業、コロラド大学客員研究員等を経て、現職。
電磁波の生体影響、電磁波を利用した地震予測、工学教育に関する研究に従事。

石原 学 先生
小山工業高等専門学校
副校長 教務主事
電気電子創造工学科 教授

専門:ヒューマンインタフェース・ネットワーク工学。博士(電気工学)。
ヒューマンインタフェースから教育工学を観る。
最近は力覚システムの基本特性と共に、VRを使った実験装置への展開などの研究に従事。

動画閲覧・PDFダウンロード

PDFデータは下記よりダウンロードいただけます。

※講演日:2020年10月13日(火)

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