村上:看護師国試対策に小テスト以外の manaba の機能を使いましたか。
奥:機能については小テストだけです。2週間に1度、あらかじめ設定した問題を自動配信し、自動採点、みんなに配信するという機能だけです。
村上:回答時間を24時間としていましたが、やり方としては時間を決めて一斉に回答してもらうということもできたと思いますが、この辺の理由についてお聞かせください。
奥:一斉に実施しなかったのは、今学生たちは自由に学外にいるという状況の中で、時間を決めて参加してもらうのが難しいのではないか、という判断からでした。9月に始めたころは1問1分、20分で回答するというタイマーがあればいいかなとも思っていましたが、回答時間を決めてしまうと、時間が過ぎてしまったと言ってやらなかったり、途中でやめてしまったり、適当に回答したりということになることが想定されましたし、そもそもこのテストだけで知識がつくとも考えていなかったので、時間制限はしませんでした。それよりも、ペースメイクというか、きちんと勉強する習慣を付けられるようにするということを重視しました。
村上:テスト結果の通知ではどのようなことに配慮しましたか。
奥:初めのころは、「時間があるので頑張ろう」とか、国試WEBへの登録を促すようなことを書いていましたが、後半のほうはモチベーションを上げるようなメッセージを書いていました。
村上:では、参加者の皆さんから寄せられた質問にお答えいただきましょう。国家試験対策における成績不振者に対してどのように対応されていますか。
奥:国試に限らずですが、成績が不振でもやる気がある学生もいれば、かまわないでくれという学生もいます。そして成績が振るわない理由も、長文が苦手という学生もいれば、暗記が苦手で、一番最初の必修問題で点が取れないという学生もいて一様ではありません。 そこで「みんこく」や模試の結果が振るわない学生は総ざらいして、アドバイザー教員からアプローチしてフォローしたり、4年生と接することが多い卒論の教員にも情報を共有して、個別に対応してもらっています。ただ、これをやれば必ず成績が上がるという決定打はあるわけではないので、やはり個々の学生に合った形でフォローしていくしかないと思います。
村上:Zoom等を使った解説やオフィスアワーのような時間は検討されましたか。
奥:12月ぐらいからZoom学習会を実施しました。それぞれの領域の得意な教員が時間を決めて、学生には自由参加で実施しました。
村上:コロナ禍でどのような授業の実施形態となりましたか。
奥:本学は東京の都心部にあり、また病院併設ということで、より厳重なコロナ対策が求められたこともあり、前期はすべてリモートで、後期は一部対面で実施しました。今回の国試対策の対象である4年生はもともと登校の機会が少ないのですが、対面で全員が集まる授業はできなかったので、今回「みんこく」をオンラインで実施したのも、そのような制約の中で全員ができるものであったという背景がありました。
村上:manaba と国試WEBの連携を使われたのはどういう理由からですか。また、この二つが連携していることによる利便性はどの辺にあると思いますか。
奥:昨年か一昨年のFDで manaba と国試WEBの連携機能について紹介があり、こんな便利なものがあるんだということは知っていました。コロナ禍になりオンラインでやらざるを得ない状況になって、使えるものは何でも使ってみようということで今回使ってみたということになります。
村上:学内全体での manaba の利用度はいかがですか。
奥:これまでも使ってはいましたが、コロナ禍によるオンライン授業で、かなり多くの授業で最終テストまで manaba を使うようになり、今年度は教員も学生も manaba に慣れたのではないかと思っています。