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第4回 教育の質保証・質向上オンラインセミナー 茨城大学 嶌田先生 ご講演

2021年3月19日(金)に実施された第4回「教育の質保証・質向上オンラインセミナー ~Afterコロナを見据えて今大学ができること~」パネルディスカッションで茨城大学の嶌田 敏行先生にご講演いただいた内容をまとめております。

最下部に動画もご用意しておりますのであわせてご覧ください。

前回講演のフォローアップ

Q:IRが功を奏した改革の実例があればぜひ「何が問題だったのか?」「その問題をどうやって解決したのか?」など具体的なお話をお伺いいたしたく存じます。

A:現状を言うと、ルーチン:アドホックが9対1のような感じで、解決したのかどうかは大部分が未確認という状況です。今年、認証評価があるので確認する必要性は感じています。
各学部の改善支援を日常的にやっており、それがどのような状況なのかを手持ちのウェイティングリストを例に見てみると、

<3/21まで>
3/21実施の農学部のアドバイザリーボードに向けて、改組がうまく行ったかを確認を行うための裏付けデータを求められ、単位の取得状況やGPA、卒業生の調査などの裏付けとなるデータ収集を行っている

<3/22まで>
・3/22から実施される全学の授業点検、FDのために、成績データとアンケート結果を求められ収集している
・教育関係の中期目標・計画の策定に向け、理事などからロジックモデルでのチェックや、指標案の策定など素案整理のオーダーを受けている(3/22提出)
・中央学生委員会で4月に実施する学生生活実態調査の説明を行い、承認をもらう予定

<3/25まで>
・教育改革推進委員会(教務委員会に相当)で、学生生活実態調査の説明を行い、承認をもらう予定。可能であればその場で、就職差へのDP達成度調査の速報値報告もしてほしいとリクエスト
・教育学部アドバイザリーボードで報告:学生の教員志望度の状況、満足度、授業外学習時間の状況報告

<3/26まで>
・全学FDで遠隔授業をうまく実施するためのTipsを紹介してほしい:自由記述の分析

<4/2まで>
・新入生にIDを配布して、4/7朝の時点で全員がTeamsに入ってガイダンスを受けられるようにして欲しい
・新任教職員オリエンテーションでミニワークショップを実施してほしい

<4/9まで>
授業開始までに新任教員・新規の非常勤講師が全員Teams・manabaで授業できるようにしてほしい

といったオーダーがたくさん来るので、効果検証をしている時間がないというのが現状です。
このように相談や依頼を多く受けるようにするためには、基本、オーダーは断らず、締切は守ることをしっかりやっています。また、打ち合わせでクライアントさんと話しながらResearch Questionにまとめていき、提供するデータをその場で伝えていくということが大切だと思います。できれば一度データを持っていき、話をすると、先生方も次の必要なデータが思い浮かぶようになり、話も弾みます。逆に凝った分析は不要で、現場の課題に対して「次はどうすればよいのか」がつかめればいいわけですから、先生方の話が弾むように仕向けることが大切だと思います。
例えば学生の授業理解度などは、シンプルに2019年と2020年でどう変化したかというグラフを見せて、ざっくり理解してもらえれば、先生方は自分自身で色々考え始めますので、ヒントを出していく、というようなことは大切だと思います。
正直、IR系の事例は美しい改善事例以外、公開に際しての学内承認が得られないので、失敗例などを共有するには、他大学の担当者と仲良くなってお互い「ここだけの話」をするしかないかなと思いっています。

Q:授業とDPの関連付けの検証はどのようにされていますか。

A:教員がどのような観点で点検するということが重要だと考えていますので、この点は各先生におまかせしています。

Q:今後の大学教育のオンライン授業の見通しについてお聞かせください。

A:教育DX(デジタル・トランスフォーメーション)のキーになるのはオンライン授業だと思います。デジタル教材で事前学習を行ってもらい授業では議論を行う反転学習や、良質な授業のコンテンツの共有など、オンライン授業によってマネジメント全体が変わってくると思います。したがって、どうカリキュラムの柔軟性を上げていくかがポイントになってくるでしょう。

Q:授業の中でできる改善とはなんでしょうか。

A:他の先生と授業や成績分布などの見せあいをすることでしょうか。だめなら平均を示してよく考えてもらうことでしょうか。

Q:DP達成度と授業の関連性を説明するのはどうすればよいでしょうか。

A:これは大変難しいです。できるのは成績評価基準や就職先のデータなど、学年単位で先生方に提供して、考えてもらうことです。また、カリキュラムの整合性をチェックしてもらうことも重要です。

Q:IR専任者がいない小規模校ではどうすればよいでしょうか。

A:大学執行部などクライアントから課題を出してもらって、それに対するデータを片っ端から作って見てもらうのが良いのではないでしょうか。

Q:オンライン授業での卒業・進級を保証する仕組みはどう考えればいいでしょう。

A:対前年比+自由記述の解析(学生・教員調査)である程度、状況は分かると思いますが、現場の先生や学生らに細かく聞き込みをしていくしかないと思います。

Q:IR専任者がいない小規模校ではどうすればよいでしょうか。

A:大学執行部などクライアントから課題を出してもらって、それに対するデータを片っ端から作って見てもらうのが良いのではしょうか。

Q:DP達成度の実施率をお聞かせください。

A:こちらをご覧ください
https://www.ibaraki.ac.jp/commit/mieru/index.html

Q:取り組みを学生たちに定着させるための工夫とは。

A:随時状況を報告すれば、みなさん理解してくれるのでは、と思っています。

Q:正課外も含めたトータルな質保証についてどうお考えですか。

A:どのDP要素をどこで身につけているのかを分析して、正課外で身につけているのであれば、その担当部署や委員会に伝えて、点検項目に入れるよう努力してもらうのが良いではないしょうか。

講演者

嶌田 敏行 先生
茨城大学
全学教育機構 准教授

平成15年3月に金沢大学大学院自然科学研究科地球環境科学専攻博士後期課程を単位取得退学。
4月より、茨城大学においてIRおよびアセスメント関連業務を担当。
平成28年8月より現職。

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※講演日:2021年3月19日(金)

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