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熊本学園大学 様

活用事例インタビュー:笹山 茂 先生

熊本学園大学

経済学部 教授
笹山 茂 先生

活用事例インタビュー

紙ベースでは難しかったアクティブ・ラーニングを実現

̶ 笹山先生は manaba を授業にどう生かされていますか

本学では2015年に manaba が全学に導入されたのですが、経済学部では必修科目である「経済学入門」「ミクロ経済学入門」「マクロ経済学入門」を中心に manaba の活用を進めてきました。

この中で私は「経済学入門」「マクロ経済学入門」のほかにも「国際経済論II」「パソコノミックス」などを担当しており、すべての科目においてmanabaを使用し、その使い方は統一しています。
具体的には、事前の講義ノート配布、講義内での小テストの実施、講義後のレポート課題を毎回の授業で実施しています。

̶ それぞれの具体的な活用方法についてお聞かせください

講義ノートは授業の数日前にコースコンテンツに公開しています。事前配布の目的は学生に予習したうえで講義に臨んでもらうためです。また、授業中に板書を写す必要がなくなるため授業に集中できるというメリットもあります。必修科目は受講する学生が数百人に及ぶので、 manaba で簡単に配信できることは大きなメリットです。

小テストは respon※を使って授業の後半に実施しています。これは学生の基礎知識を高めるとともに、授業の理解度を測ることが目的です。5点満点の小テストは選択式ではなく単語を穴埋めする記入式で行っていますが、これは過去の経験から、考えさせる記入式に比較して、選択式では学生の記憶に定着しないことがわかっているためです。

respon はリアルタイムで自動集計が行えるので、すぐに学生の理解度を把握することが可能です。また、その記録も自動で保存されます。これも manaba / respon の大きなメリットの一つといえるでしょう。平均点が低かった場合は、授業の難易度が高めだったことがわかるので、補足の説明を行ったり、その後の講義内容の調整を図ったりといったことも可能になるので、授業の質の向上にもつながります。

講義のレポートは、 manaba のレポート機能を利用し、その日の授業内容を10行程度の文章で記述することを課しています。これは学生の文書作成能力の向上を目的としています。6~7割ぐらいの学生がレポートを提出しています。

レポートに関しては自動採点ができないので、私がすべて目を通し、10点満点で採点しています。毎回の授業ごとに百数十名のレポートを読むので、それなりには大変ですが、自由な課題ではなく自分が行った講義の内容なので、採点は比較的容易です。さらに、レポートを読んでいると学生それぞれの知力や総合的な力が見えてくるようになります。また、10点満点を取った優秀なレポートはコンテンツで公開しています。他の学生が「よいレポート」を読んで参考にすることで、全体の底上げも期待できます。

レポート出題画面

多数の学生のレポートを簡単に集めて、読むことができる。そのことによって、学生それぞれの能力を知ることができる。これこそ manaba がなければできなかったことでしょう。

学修記録を検証して manaba 活用による学力の向上が実証された

̶ 実際に manaba の導入効果を検証して、論文にされたそうですね

manaba 導入2年目の2016年から検証を始めました。学生のアクセス状況や小テスト、レポートの結果など manaba にはすべての記録が残り、そのデータをダウンロードしてExcelで集計できるので、統計分析は楽でした。

効果測定にあたっては、学生がどれだけ manaba の各ページを見ているのか、小テストを受けているのか、レポートを毎回提出しているのかという3点を中心に検証しました。詳細は論文(*)に譲りますが、総じて言えるのはページビュー(PV)が多い学生はレポートの成績が高いことがわかりました。私は文章力を最も重視しているのですが、manaba のPVの多さと文章力の点数の高さとの間に強い相関関係が認められたのは収穫でした。また、小テストの点数が高い学生は期末テストの点数も高いことも明らかになりました。この結果から今後の課題として、「基礎力を向上させるために、 manaba の利用をいかに促進するか」ということも見えてきました。

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教員にとっても強力なツール

̶ 先生は教員にとって manaba はどんなツールとお考えですか

先の大学設置基準の改正や、2020年の高等教育無償化の流れの中で、大学における教育の質の向上が求められています。例えば、講義ノートの事前配布は学生の予習を促進させる効果がありますが、 manaba のようなLMSがなければ、人数の多い科目では準備・配布するだけでも大仕事になってしまいます。また、学修ポートフォリオはLMSがなければ実質的に作成することは難しいでしょう。 manaba であれば、これらのことはいとも簡単にできてしまいます。

わたしは「すべての教員は講義ノートを manaba で開示すべきだ」と思っています。現状、本学で manaba を活用できている教員は半分ほどですが、多くの教員にとってメリットがあるものだと考えています。なかなか手が出ない先生もいらっしゃいますが、ぜひトライしていただきたいものだと思います。

̶ 今後、 manaba に期待されることはありますか

高等教育無償化に関連して、文部科学省から授業出席確認の厳格化を求められています。本学でも学生証のICカードで出席を取っていますが、これも抜け道があります。 manaba のシステムで厳密な出席が取れるようになれば教員の負担も減るので、期待したいところです。

教育の質向上に関連していえば、学修ポートフォリオの分析機能が標準で付くとよいでしょう。もちろん今でも各データを取り出してExcelで分析が可能ですが、Web画面上で確認できるようになれば、より使い勝手がよくなると思います。

熊本学園大学について

熊本学園大学

創立年:1942(昭和17)年
所在地: 〒862-8680 熊本市中央区大江2丁目5番1号
学生数:2019(令和元)年5月1日現在 5,118名

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※インタビュー日:2020年1月10日(金)

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