大東文化大学
経営学部 経営学科 教授
理学博士 学園総合情報センター所長 学長室IR委員
水谷 正大 先生
大東文化大学 様
導入事例インタビュー:水谷 正大 先生
インタビューにご協力いただいた方
導入事例インタビュー
同校で初めてのLMS導入
― manaba 導入の経緯をお聞かせください
本学は、学生12,000名を有する文科およびスポーツ系の大学です。文科系ということもあるのか、学校全体でICTの有効活用についての考えが成熟してなかったこともあり、これまでLMSは導入されていませんでした。しかし、授業前後の自主的な学修時間を確保できないかという模索の中で、授業の出席確認の把握や授業資料の印刷や配布など教員の負荷が増加してきたこと、また学生自身に学習成果を確認させたいという観点から、2018年よりLMSを選定することとなりました。
容易な操作性が導入のポイント
― manaba を選ばれた理由はどのようなところでしょうか
選定にあたっては、さまざまなLMSを調査しました。その中で、シンプルでわかりやすいUIを備えた manaba を全学で利用して、LMSの可能性を追求していこうという結論に達しました。先にもお話しました通り、本学は、学生のみならず、ICTの活用を苦手とする教員もいるため、利用を促進するために、使い勝手の良さを重視しました。
例えば、教務システムのオプションにあるようなレポート提出機能では総合的な使い勝手の部分で満足できませんでした。特に本学における初めてのLMSということで、必要な機能を有しながらも、シンプルなシステムとして教員浸透性が高いことを重視して選定した結果が manaba ということです。
さらに、ノウハウの交換や利用上の課題共有ができるかなど、東洋大学など他大学での導入実績も重視しました。これらを総合的に勘案して manaba の導入に至り、2018年4月より稼働を開始しました。
適切なスケール感と使い勝手の良さ
— 実際に導入されて、学内での評価はいかがですか
学生の観点から言えば、LMSとは選択の余地はないため、いいも悪いも判断できないでしょうが、使いにくいとか、わかりにくいといった声は聞かれないところをみると、シンプルゆえの使い勝手の良さが表れているのではないかと思います。 respon の応答性も楽しんでいるようです。
教員側は積極的に使われている先生と、まだこれからという先生がいるのは事実です。導入前の課題でもあった出席確認に関しては、 respon との組み合わせで実現されたこともあり、出欠確認およびクリッカー利用との組み合わせで活用されているようです。また、手書きのドキュメントが扱える富士ゼロックスの授業支援ボックス(※2)との連携をさせていますが、学びにとって効果的な手書きレポートや試験採点を容易に取り扱いできるようになった点は高く評価しています。この時代であっても手書きでわかりやすくまとめる技能開発は重要だと考えています。
また、教員以外にも職員がコースを設定できるので、ガイダンスなどの資料配布が、かなり楽になったという声も聞かれます。
機能的には、現状の本学においてはおおむね必要十分といった形で、フィットしているのではないかと感じています。望むらくは、出欠管理データが教務システムと連携できることです。
学生に気づきを与える仕組みづくりを
— 導入から1年半経過されましたが、今後はどのような活用を目指していますか
先にもお話した、教員の利用率の向上は一つの課題です。アクティブユーザは授業で使う教材やレポートをすべて manaba に載せています。しかしながら、私どもの案内不足や教員個別サポートの不徹底もあり、授業で manaba を活用しきれていない教員も少なからずいます。今後は教員サービスを充実させて、すべての教員が manaba を活用した授業を行うことを目標としています。
また、学生に対しては、学修ポートフォリオの活用を推進しています。入学以来、自分が学んできたことを振り返ることで、学生自身に気づきを与え、学習意欲のモチベーションを高める仕組みとして活かしていきたいと考えています。
manaba を使った学術ネットワークを
— 今後の manaba に期待されることはありますか
これは個人的な考えですが、今の manaba は学内の各履修科目に関する情報蓄積基盤としては良いものだと感じていますが、科目ごとに閉じてしまっていることが残念に思います。学問の重要な要素の一つに学び発見したものを公有するということがあります。例えば、MOOCのように無料で講義を受けられる仕組みは本来のインターネットが目指していたものとマッチしますし、高等教育の存在意義にも通ずるものがあります。
例えば、 まずは manaba のユーザ校同士でもよいと思いますが、教員がパブリックに公開したい授業資料などを検索・アクセスできるようにする仕組みが備わり、学校を超えた教員や学生同士の教育や研究に関するコミュニケーションがそこに起こるようになれば、それこそクラウドサービスの特性を生かしながら、今よりステージが1つも2つも上がるLMSとなるのではないかと考えています。今後の進化に期待しています。
※1.respon は(株)レスポンが開発・提供しているサービスです。
※2.富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社(
PDFデータダウンロード
本インタビューのPDFデータは下記よりダウンロードが可能です。
※インタビュー日:2019年12月25日(水)