2019年11月29日(金)に東洋大学にて開催した「 manaba ユーザ会 2019年度」において、 manaba の活用方法についてお話いただきました。
下記にお話の内容をまとめます。
東洋大学 様
manaba ユーザ会 2019年度ご講演 吉田 宏予 先生
ToyoNet-ACE(manaba)の理工学部英語教育での利用例について
理工学部生の英語に対する特徴と対策
東洋大学理工学部には約800名の学生が在籍していますが、9割の学生が英語を苦手としており、学習時間が短いことが問題となっていました。
そこで、
・学習する目的を意識させ、意識を持たせる
・課外学習時間の増加と、英語学習支援や海外体験・留学を奨励
を目標としてかかげ、下記のような取り組みをしてきました。
-2001年 ESP共通カリキュラムを開始
-2004年 英語学習支援室開室
-2013年度より、使用言語が英語の講義を実施
-2015年 グローバルコミュニケーションスペースを開室
-2016年度より、キャリア教育的課題実施(2013年度より一部学科で実施)
英語学習の取り組みの実際
理工学部生は英語運用能力が全体平均より低いという結果も出ているので、下記のような取り組みを行いました。
・定期的なTOEICの受験により、全体の中での自分の位置づけを確認
1年ごとに目標スコアを設定
・習熟度別クラス編成(必修科目・選択必修・TOEIC対策科目)
・課外活動として、manabaを使ったE-learningを合わせて実施
また、日本語を含めて文書を書くことが苦手な学生が多いので、次のような取り組みもあわせて行っています。
・リーディングとライティングを必修科目に
・キャリア教育的課題を必修科目で毎学期課す
学生の将来(就職・大学院)につながる基礎能力を重視
また、英語学習支援室やグローバルコミュニケーションスペースを活用し、下記のような課外活動支援(空き時間や休暇中の無償の利用)もあわせて行っています。
・基礎的英語運用能力の支援(英語学習支援室)
・発信型英語運用能力の支援(中位~上位対象)
・自主的学習の支援(ブースで自習・パソコンの使用)
・海外留学支援(個別相談受付)
・日本人学生と留学生の交流と憩いの場を提供(クリスマス等 毎月のイベント)
共通カリキュラム実施と教育目標達成のための manaba の利用
理工学部では学生に対してだけでなく、教員側でも manaba を活用しています。その目的は、英語科目担当教員(非常勤講師含め20数名)間の連携業務の
円滑な遂行を実現し、公正な評価と、理工学部各学生の英語運用能力を上げることです。
業務連携を円滑に行うために、学生向けのコースで流している以下の情報を、教員用コースでも配信し、情報共有を行っています。
コースニュースには、伝達事項や留学・語学講座の募集などのお知らせを項目別に掲示しています。
コースコンテンツには予習・復習用教材、ルールや課題等、学期中に常時参照する必要がある事項を掲示しています。
また、授業の質を向上させるために、定期的なアセスメントとして、 manaba を使って英語教育のみに特化したアンケートを実施しています。
・英語教育学生アンケート(4月、7月、1月)
・英語教育教員アンケート(8月、2月)
これらの結果は、毎年2月ごろに開催している担当者会議で精査し、ガイドラインの更新や、翌年からのカリキュラム運用に活用しています。
担当科目での manaba を活用した取り組み
自分の担当科目では、 manaba を活用して次のような取り組みを行っています。
・コースコンテンツ
授業の補習としての解説に利用しています。
教科書で予習、解説で復習、翌週に小テストで定着度を確認という一連の流れとなっています。
・オンライン小テスト
多人数科目で実施しています。単語の穴埋め問題等を出題しています。
・掲示板
授業内での積極的な発言を奨励しています。
manaba の導入効果
manaba を積極的に活用した結果、以下のような効果が見られました。
・学生の課外学習や自主的学習時間が増加
・学生・教員の、英語教育の内容や仕組みへの理解が進化
・語学講座や留学、イベント、グローバルコミュニケーションスペースの認識が増加
・共通カリキュラムの効果的な実現には不可欠
※講演日:2019年11月29日(金)