
日本はバブル後20年にわたってスタグネーション(経済停滞)の状態にあります。これを打開するために、企業は国内だけでなくグローバルなビジネス展開を積極的に進めており、そのためのグローバル人材の育成が急務となっています。そこで、ICU大学院では、ICUが建学以来追求してきたリベラルアーツを軸に、グローバル人材として必要なマインドやスキルを英語で身につけていく社会人対象のプログラム「グローバル リーダーシップ スタディーズ」(GLS)を、2011年7月に実施しました。
国内外の20社以上の企業からGLSに集まってきた26名の幹部候補は、キャンパス内の寮に4週間滞在し、朝から夜までグローバルリーダーとして必要な知識を学んだり、グループワークに取り組んだりしました。GLSは、授業だけでなく教室を離れた場でも、教員や受講生同士での活発なコミュニケーションが必要とされるプログラムなので、全員をつなぐ強力なプラットフォームが不可欠と考えました。当初は学内の授業支援システムの利用や独自システムの構築も考えたのですが、どちらも一長一短で、採用を見送りました。そんな折に「manaba folio」に出会ったのです。GLSで必要とされている機能がすべて備わっており、導入までの期間も非常に短くて済みます。まさに見た瞬間、「これを使おう!」と決断しました。
受講生には毎日の授業後、コースのレポート提出機能を使って「サマリー」と「アセスメント」の2つの日課を提出してもらいました。「サマリー」は1日7コマある各授業で自分が何を学んだかをまとめるもの、「アセスメン
ト」は全授業をそれぞれ4段階で評価してもらい、そのフィードバックを受けて、翌日以降の授業内容や講師を変更していくなど、よりニーズにマッチしたプログラムを提供していくためのものです。私は、これらの提出物を全受講生から効率よく集めて分析し、その内容を次の日の授業へ迅速に反映させていくために、「manaba folio」を十二分に活用しました。また、授業終了後には、2名のティーチングアシスタントに、各授業のサマリーを「manaba folio」の掲示板へアップしてもらうことで、受講生が授業のポイントを後から振り返られるようにしました。
GLSは全寮制なので、受講生たちは夜遅くまでディスカッションをしたり、グループワークの準備をしたり、さらに「飲みニケーション」をしたりと、多忙な時間を過ごします。したがって、日課となっている提出物を夜中に書いて送ってくる受講生も少なくないのですが、「manaba folio」なら、教員が翌朝、それらすべてをまとめて読むことができます。もし、手書き文書やメールで26人分の提出物がバラバラに届くとしたら、もっと多くの手間と時間がかかっていたはずです。教員にとっても受講生にとっても、GLSはまさに「manabaで始まりmanabaで終わる毎日」だったと言えるでしょう。
4週間にわたって、受講生たちは1日中顔を会わせているのに、さらに「manaba folio」上でもいろいろな情報や意見を交換していました。これはとても興味深いことで、フェイス・トゥ・フェイスで話し合うリアルな場と、「manaba folio」でディスカッションするバーチャルな場とでは、違う視点からのコミュニケーションができるのです。つまり、これら2つの場を用意することで、受講生同士のつながりはさらに深まるというわけです。GLSではプログラム修了後も、受講生同士で「manaba folio」を利用し続けることができるので、4週間で培った異業種のさまざまな人たちとの深い絆が、その後も続く価値ある社外ネットワークになっていくはずです。
受講者~教員~スタッフ間で情報を共有するための「場」として、「manaba folio」はとても重要な役割を果たしました。それは「コミュニケーションの場」であると同時に、「自分を振り返る場」であり、「いつも必要な情報が置かれている場」でもあるのです。また、「manaba folio」は完全なバイリンガル対応で、英語と日本語を必要に合わせて使い分けられるところも、グローバル人材育成プログラムには不可欠な要素です。お陰様で今回のプログラムは大変ご好評をいただき、今後も継続して実施していくことになりました。来年以降も「manaba folio」とともに、さらに質の高いプログラムを提供していきたいと考えています。